海街Diary 5 群青 吉田秋生 小学館フラワーコミックス

毎日ブログを訪問している、「くるねこ大和」のくるさんが、今日は落ち込んでました。胡てつんの入院がこたえているらしい。くるさんもかあ・・猫好き人間にとって、自分の不注意や至らなさで猫に何かある、というのはとても辛いです。(胡てつんの入院は、くるさんのせいじゃないです。念の為。)私の落ち込みは、ガスコンロの工事に来てもらったときに、私の不注意でぴいを脱走させてしまったこと。業者さんの出入りに気をつけているつもりで、一瞬の隙を突かれてしまった。幸い、30分ほどですぐに帰ってきたけれど、その間生きた心地がしませんでした。長らく外に出していなくて、最近はあまり出せ出せと言わなくなっていたこともあって、油断してたんですよね。ちゃんと帰ってきたからいいものの、またお薬を飲んでいるこの時期に、行方不明にしていたらと思うだけで、背筋が冷える思いがしました。しかも、業者さんにも心配させて、申し訳なかったし・・・。相手はもの言わぬ子だから、こっちが良かれと思ってしていることが食い違ったり、通じなかったりすることもままあります。もっとも、これは人間同士でも同じなのかもしれないですけどね。これからは、もっと気をつけなくちゃいけません。肝に銘じました。

がっくりきて、なんだかちゃんと活字も追えず。この間買ったこの本に、ずいぶん癒されました。この作品の中の時間の流れ方が、とても心地よいのです。鎌倉の街での四人姉妹の生活は、穏やかながらもいろんな波が打ち寄せます。すずの亡くなった祖母からの連絡。幸ねえの、病気疑惑。馴染みの食堂のおばさんの死。みんな、人は、それぞれが生きてきた時間や、背負っているものを携えて、これから歩く道に悩んだり苦しんだりする。その中で言葉にできない思いがたくさん生まれて流れていくんです。この物語は、その言葉にできない思いがちゃんと伝わってくる。彼女たちの思いに触れて、自分が言葉にできなかったあの日の思いが、蘇る。うまく伝えられなくて苦しかったこと。言葉にできなくて、傷ついたまましまいこんでしまったこと。それを、彼女たちとわかちあって、そっと同じ風景の中に、群青の空に解き放てる。この幸せは、なんとも言えません。

空気が薄いほど、空は青さを増すらしいです。そこに立つ人にしか見えない色、景色があって・・・それぞれが違う色の空の下にいるのかもしれないけれど、空はいつも見上げればそこにある。そのことが、とても胸に沁みる。そんな巻でした。うーん・・・やっぱり、「吉田秋生−夜明け− (フラワーコミックスマスターピーシーズ)」は買うべきか。これまで全巻揃えているファンとしては、やっぱり見逃せないかなあ・・・。

2012年12月刊行

小学館

by ERI

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